何を言ったのか記憶にありません

目次

何を言ったのか記憶にありません

Posted on | 8月 5, 2011 | No Comments

俊平は久しぶりに会った知世と一緒に食事をする機会に恵まれた。大学時代には、知世は同世代の男子、全ての羨望の眼差しを受けるような、俊平にとっては雲の上のような存在だった。そんな知世と食事をすることができたのは、俊平が私立探偵をしているお陰だ。知世は大学を卒業後、モデル事務所に所属し、しばらくは売れっ子のモデルとして活躍した。そして30歳を境に、モデル事務所を設立し、そこでの社長を務めながら、自分自身もモデルとして活躍している。社長兼モデル。そんな知世は最近では文化人として雑誌やテレビでコメンテーターとして出演することもしばしばで、露出する機会が増えることで、俊平は知世の存在をある程度、把握することができていた。そういった情報収集にかけては、俊平は一応プロだ。だがそんな俊平も、まさか知世の方からこちらに連絡してくるとは意外だった。「久しぶり」と。大学卒業以来、10年ぶりに連絡してきた時には本当に驚いた。そして食事の約束を上の空で交わしながら、つい3日前、食事を共にした。俊平はひたすら緊張しながら過ごしたが、知世はさすがに手馴れた様子で、楽しそうに話をしながらよく食べ、よく飲んでいたように思う。俊平は緊張のあまり、知世が何を言っていたのかをほとんど忘れてしまったが、一つだけ覚えているのは、彼女が絶望の淵にいたときに、俊平の言葉を思い出して救われたということだった。俊平は何を言ったのか、全然覚えていないのだが。

広告

リサイクルハンター7
ブランド品・家具・家電の高価買取ならリサイクルハンター7へ!
鍼灸専門ポータルサイト「はりなび」
鍼灸専門ポータルサイト「はりなび」は、あなたの街の鍼灸院をお探しします。
1 / 912345...最後 »
  • ABOUT

    名前:木島
    血液型:A型
    性別:男性
    趣味:散歩